質 問

 知事は、新型コロナから県民の命と暮らしを守り抜く、地域経済再生にしっかりと取り組む、「3つの維新」を更に進化させ、山口の新たな未来に向けた県づくりを前に進めていく、との3つの方向を示され、我が会派としてもこうした方向を評価している。
 本県を含め我が国は人口減少・少子高齢化が進行しており、いかにして質の高い経済社会を維持し、さらに発展させていくかという大きな命題を抱えている。
新たな未来づくりに向けて、知事がどのようなビジョンを持ち、解決すべき課題や力を入れる政策は何かを、県民に伝え、共感を持ってもらうことが何よりも重要である。
 また、国の「デジタル田園都市国家構想」や「人への投資」などともしっかりと連携し、力強く成長する地域経済・社会への変革に取り組んでいかなければならない。
 そのためには、知事のビジョンや乗り越えるべき課題を、県政の新たな指針として形にし、県民にしっかりと示すことが必要と考える。人口減少の克服をはじめ、変化する県政課題に対し、知事のリーダーシップにより、分野を越えて叡智を結集し、デジタル改革などを梃子に、山口の新たな未来に向けた確かな道筋をつけていただきたい。
3期目のスタートに当たり、今後の県政運営の基本的な考え方と、その1年目に当たる令和4年度当初予算の考え方について、併せて所見を伺う。
 

村岡知事

 友広議員の代表質問にお答えします。まず、私の3期目の県政運営についてのお尋ねです。
 新型コロナウイルスの影響が長期化する中、県政最大の課題である人口減少や少子高齢化も、依然として進行しています。これらの難題に引き続き立ち向かい、山口県の確かな未来を切り拓いていかなければなりません。
 これからの知事3期目の4年間、私は、直面するコロナの危機から県民の皆様の命と健康を守り抜き、大きく傷んだ社会経済を再生させて、山口県の元気を取り戻す、そして同時に、その先を見据え、本県の新たな未来を創っていく取組をしっかりと前へ進めてまいる決意です。
 そのために、まずは、未だ収束が見通せないコロナへの対応に引き続き万全を尽くすとともに、事業活動の維持・発展への支援や需要喚起等による地域経済の回復に最優先で取り組んでまいります。
 この考えの下、来年度当初予算案では、全国トップクラスの医療・療養体制と1日最大8千件の検査体制の維持、ワクチンの3回目接種の4月末完了に向けた支援など、感染拡大防止対策を強化するとともに、県民生活の安定に向けた対策の更なる充実を図ったところです。
 また、中小企業制度融資の融資枠の確保等による資金繰り支援や、これまでにない大規模な消費需要喚起策などを実施し、コロナによって傷んだ県内経済をしっかりと下支えし、力強く再生させていきます。
 そして同時に、本県の新たな未来に向け、感染拡大を契機とした人々の意識や価値観の変化と、デジタル化をはじめとする社会変革の動きをチャンスと捉えて、これまで取り組んできた「3つの維新」をさらに進化させ、より高いレベルの安心の確保と成長の実現を目指してまいります。
 このため、来年度においては、如何なる時にも県民生活の安心を確保していくことができるよう、本県医療の中核的な役割を担う県立総合医療センターの機能強化の検討をはじめ、医療・介護や子育て支援等の一層の充実を図ります。
 成長の実現に向けては、全国に先駆けて取り組んでいる「やまぐちデジタル改革」を加速し、産業面はもとより、県政各分野でのデジタル技術の活用と社会実装を推進するほか、本県への新たな人の流れの創出・拡大や、新たな時代に対応した人づくり等の取組を強化することとしています。
 こうした県づくりを前へ進めていくためには、本県が目指すべき将来像を示して、施策の方向性を定め、市町をはじめとする多様な主体と思いを共有し、そして連携・協働しながら、取組を計画的・戦略的に推進していくことが重要です。
 また、お示しのように、国の政策ともしっかりと連携し、デジタルによる地域活性化や本県の将来を担う人材の育成、あるいは官民連携による脱炭素社会づくりなど、新たな課題にも、積極的に取り組んでいかなければなりません。
 このため、私は、3期目の県政運営の指針となる新たな総合計画を策定することとし、県議会での議論も踏まえながら、本年中を目途に取りまとめたいと考えています。
 県政を取り巻く現状を踏まえれば、未来に向けた県づくりの挑戦は厳しい道程が予想されるところですが、私は、将来にわたって、県民の皆様の安心・安全をしっかりと確保し、希望と活力に満ちた山口県を必ず実現する、この強い決意で、今後の県政運営に全力で取り組んでまいります。
 

 質 問 

 繰り返される新型コロナの影響により、県内の飲食や観光をはじめとした事業者は、依然として大きく疲弊しており、我が党にも、先行きを不安視する声、国や県など行政のさらなる支援を求める声を多くもらっている。
 国では、総合的な経済対策により、コロナ禍で傷んだ経済を立て直し、成長軌道に乗せる方針が打ち出された。
 本県の当初予算案においても、コロナ禍に対応した活動を行う事業者への支援や需要喚起策など、本県経済の回復に向けて現状下で必要な様々な支援策を計上されている。
 重点措置は2月20日をもって解除され、今後、疲弊した事業者の事業継続から回復軌道に乗せていくため、官民一体となった需要喚起策を展開し、民需主導の力強い本県経済の発展的再生を図ることが重要である。
 感染拡大のリスクを適切に管理しながら、一日でも早く通常の社会経済活動を再開し、コロナ禍で傷んだ地域経済を回復させていく必要があるが、今後、どう取り組むのか伺う。
 

村岡知事

 次に、コロナ下での社会経済活動の再開についてのお尋ねにお答えします。
長期化する感染症の影響は、飲食や観光をはじめ関連する産業など、幅広い業種の事業者に拡がっており、地域経済が大きく傷んでいます。また、年明けからの感染急拡大は全国的には依然として高い水準が続いており、予断を許さない状況にあります。
こうした状況を踏まえ、私は、ワクチン接種やPCR検査の支援、飲食店における更なる認証取得の促進など、感染防止対策の徹底を図るとともに、大きく落ち込んだ社会経済活動をしっかりと再開、拡大していくことが極めて重要と考えています。
このため、来年度予算では、感染拡大に係るリスク管理を進めながら、事業者が厳しい状況を乗り越えられるよう、県内経済の下支えを図るとともに、大きく落ち込んだ需要を取り戻す様々な喚起策を強力に展開してまいります。
まず、県内経済の下支えに向けては、県制度融資の「経営安定資金」において十分な融資枠を確保するほか、「新型コロナウイルス感染症対応資金」に係る利子補給や返済計画見直しにより必要となる信用保証料の補助を継続するなど、資金繰りを支援します。
また、拡大する電子商取引市場において、大手ECサイトを利用したやまぐちフェアの開催による販路拡大や、外国人材受入れに必要となる経費の補助による安定的な人材確保などを支援し、事業の継続・活性化を図ります。
次に、消費需要の喚起に向けては、観光をはじめ、飲食や県産農林水産物など、様々な分野における需要を強力に喚起するため、予算総額100億円、事業規模300億円を超える規模で支援策を実施することとしています。
まず、店舗の資金支援と消費需要の喚起を図るため、クラウドファンディングを活用し、消費者が様々な店舗のプレミアム付きチケットを購入する「頑張るお店応援プロジェクト事業」について、前回同様にプレミアム率を50%とし、規模を3倍に拡充して実施します。
また、観光の分野においては、国の事業を活用した全国規模の需要喚起策として、旅行商品の割引やクーポン券の発行を行う「GoToやまぐち事業」を実施することにより、観光事業者の反転攻勢を強力に後押しし、観光のV字回復に向けた好循環を創出します。
さらに、飲食店や食材を提供する農林漁業者を支援するため、「やまぐち安心飲食店」等で利用できる、本県独自の「やまぐちプレミアム食事券」を販売し、飲食需要の拡大を推進します。
 加えて、消費の低迷が続き大きな影響を受けている県産農林水産物の需要回復・拡大と生産者の経営安定を図るため、県産米の増量販売や、花き・日本酒・高級魚加工品の割引販売を行うキャンペーンを実施します。
私は、今後とも、感染拡大防止対策の強化を図りながら、国の経済対策にも呼応し、官民一体となった大胆な需要喚起策を効果的に実施することにより、早期に社会経済活動を回復させ、コロナ禍で傷んだ地域経済の発展的再生に向けて全力で取り組んでまいります。
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 質 問

 知事は、産業力の強化を県政運営の重要な柱と位置付け、県独自の産業戦略を構築し、推進してこられ、その結果、インフラ整備や企業誘致が進み、新規雇用創出が図られるなど、本県経済の基盤を支えてこられたことを高く評価する。
一方で、本県産業を取り巻く環境は4年前とは様相を異にしている。DXの加速、脱炭素化の潮流、サプライチェーンの分断や緊迫する国際情勢、資源高騰など、不確実な要素が多く存在している。とりわけ脱炭素化への対応は、基礎素材型産業や自動車産業が基軸をなす本県産業にとって極めて影響が大きい課題である。現在特別委員会で提言がまとめられているところだが、会派としても、地元産業界の実情が県の政策や国への要望に反映されるよう、取り組んでいかねばならないと考えている。
こうした様々な不確実性の中でも、本県の基幹産業は業績を伸ばし、多くの雇用を維持している。この力強い産業力が本県の経済社会発展のエンジン役であることは、3期目の県政においても変わりはなく、県内産業が競争力をさらに高めていけるよう、現状に寄り添った実効性のある産業戦略を講じていかなければならない。
これまでの成果をさらに伸ばしながら、生産性の向上や成長分野への投資、イノベーションの促進に、時代の変化も見据えてしっかりと取り組んでいただきたい。
脱炭素化への対応など本県産業が直面する大きな課題を乗り越え、本県産業が更に成長するための産業戦略の推進に、今後どのように取り組まれるのか、所見を伺う。
 

村岡知事

 次に、産業戦略の推進についてのお尋ねにお答えします。
 私は、「活力みなぎる山口県」を実現するためには、地域の活力源である強い産業力をつくることが極めて重要と考え、やまぐち産業イノベーション戦略に基づき、産業界や関係機関と一体となって、本県の高度技術や産業集積を活かした産業戦略を積極的に推進してまいりました。
 この結果、港湾や幹線道路網の整備、島田川工業用水道の給水開始などの産業インフラの充実をはじめ、200件を超える企業誘致と5千人超の新規雇用創出、医薬品原薬生産額全国1位の実現など、目に見える成果が着実に上がってきています。
 一方、新型コロナウイルスを契機としたデジタル化の動きやサプライチェーンの分断リスクなど、産業界を取り巻く環境は大きく変化しており、とりわけ脱炭素の潮流は、多くのエネルギーを必要とする基礎素材型や輸送用機械関連産業が集積する本県にとって、極めて大きな課題となっています。
私は、本県産業が更なる成長を遂げるためには、環境の変化や直面する課題への対応を、新しい時代をリードしていく好機ととらえ、大胆な投資やイノベーション創出につながる企業の前向きな挑戦を全力で後押ししていく、このことが県の役割であり、これにしっかりと取り組むことが重要と考えています。
 このため、まず、喫緊の課題である脱炭素化に向けては、企業が挑戦しやすい環境をつくるため、企業等との協働の下、全国的にも優位な次世代燃料の製造技術等を生かしたコンビナート低炭素化構想の策定を進めます。
 また、港湾については、国際バルク戦略港湾施策を進めている徳山下松港において、バイオマスの輸入拡大を踏まえ、当面のベースエネルギーの輸入拠点港としての整備を促進するとともに、水素・アンモニア等次世代エネルギーの供給拠点化に向けたカーボンニュートラルポート形成計画の策定に取り組みます。
 さらに、自動車産業における電動化シフトに向けては、電動車の分解部品を活用して、その構造的特徴やコア技術を、県内企業が専門家とともに調査・分析する場を新たに設けるなど、サプライヤーの事業転換や新素材・技術の創出等を進めることとしています。
 同時に、企業の生産性向上等に大きく寄与するデジタル化に向け、引き続き5GやAI等を活用した実証に取り組むとともに、新たな補助制度を創設し、デジタル技術の実装を支援するほか、医療や環境関連など成長分野における研究開発・事業化の促進や、製造拠点の国内回帰等を踏まえた企業誘致を強力に進めていきます。
 本県産業が直面する課題の克服は、決して容易ではありませんが、私は、今後予定されている県議会特別委員会の提言をしっかりと踏まえ、企業に寄り添った産業戦略を推進し、本県の経済と雇用を支える産業力の強化に、全力で取り組んでまいります。
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 質 問

 コロナ感染拡大により、感染症医療等の専門人材の育成やICUの整備の必要性・重要性を再認識させられた。加えて、多様化・高度化する医療ニーズへの対応等、課題が重なる中、県民が健康で安心して暮らしていくためには、本県の総合的な医療提供体制の強化がこれまで以上に求められている。
県立総合医療センターは、コロナ感染症対応においても、県民の命と健康を守る医療を最前線で提供し、さらには、他の医療機関で担うことが困難な高度専門医療などに取り組むとともに、へき地医療の支援など、県域全体の医療を支える中核的な役割を担っており、本県の医療提供体制の更なる強化に向け、同センターの機能を一層強化する必要がある。
しかし、本館棟は老朽化が著しく、狭隘化も進行しているなど、医療提供体制の強化に向けた取組を加速化させるためには、早期建替を進めることが不可欠である。
こうした状況を踏まえ、同センターの建替による感染症対応をはじめとした医療提供機能、医療人材育成機能の強化を超重点要望としたところ、知事は、同センターの更なる機能強化に向けて基本構想策定経費を当初予算に計上された。今後は関係者や専門家等の意見を踏まえながら、スピード感を持って検討を進めていただきたい。
そこで、本県の医療提供体制の強化にあたっては、県立総合医療センターが本県の感染症医療、高度専門医療等の拠点、専門医・総合医の育成等の中核的な役割を果たせるよう、建替による機能強化を早急に進めていく必要があるが、県は医療提供体制の強化に今後どのように取り組むのか、伺う。
 

村岡知事

 次に、医療提供体制の強化についてのお尋ねにお答えします。
 私は、新型コロナウイルス感染症に対応する中で、何より大切な県民の命と健康を守るため、本県の医療提供体制を一層強化することの重要性をあらためて強く感じています。
 お示しのとおり、県立総合医療センターは、本県唯一の第一種指定感染症指定医療機関として、新型コロナ感染症においても、他の医療機関では対応困難な患者を受け入れ、また、救急・周産期、がん医療等高度専門医療や、へき地医療の拠点として、県全体の医療を支える中核的な役割を担っています。
 今後、県民から求められる医療ニーズが、益々、多様化・高度化する中、私は、医療面におけるより高いレベルの安心を将来に向けて確保するためには、県立総合医療センターの機能を抜本的に強化し、本県の医療提供体制を万全なものとする必要があると考えています。
 このため、今年度、県立総合医療センターに調査検討会を設置し、同センターの現状や課題、感染症、救急及びへき地医療等の各医療分野や、高度専門医療人材の育成など求められる機能等について、様々な観点から検討を進めてきたところです。
 この検討結果を踏まえると、県立総合医療センターの機能強化のためには、高度専門医療のための医療設備の導入、今後とも起こり得る新興感染症への対応、更には、へき地医療の充実に向けた5G環境の整備など、施設の大規模な再整備が必要です。
 また、病院本館は建設後38年が経過し、老朽化・狭隘化が著しく進行しており、施設の修繕や増改築では限界があることも鑑みると、建替えが不可欠であると考えています。
 このため、私は、県立総合医療センターが将来にわたって本県医療の中核的役割をしっかりと果たせるよう、アクセス性や患者の受療動向等も考慮し、同センターを近隣に全面的に建て替えることを基本に、機能強化に関する基本構想を来年度中に策定してまいります。
 この基本構想においては、本県の医療提供体制における県立総合医療センターの役割や医療機能のほか、建設候補地及び整備スケジュールなどを取りまとめ、また、策定に当たっては、県に外部の有識者からなる検討組織を設置し、県議会や広く県民の御意見をお聴きしながら進めてまいります。
 私は、県立総合医療センターが、将来にわたって、本県の感染症医療、高度専門医療等の拠点としての中核的役割を一層果たせるよう、今後、スピード感を持って、抜本的な機能強化を進め、県民の皆様が安心できる医療提供体制の充実・強化に、全力で取り組んでまいります。

 質 問

 本県教育においては、ICT環境が整備され、学びの現場にICTが導入されたが、重要なのは単に整備することではなく、教育の充実に向けてどう活用していくかであり、これから真価が問われることになる。
 こうした中、国においては、次期教育振興基本計画の策定について中央教育審議会に諮問され、今後迎える超スマート社会を念頭に、オンライン教育を活用する観点からの「デジタル」と従来の対面授業などの「リアル」を最適に組み合わせた教育等の必要性が指摘されている。
 また、本県における県立高校将来構想の最終案の検討資料では、教育活動の充実に向けて、これまでの教育実践とICTのベストミックスによる授業改善などをはじめとした「ICTを活用した教育の推進」が掲げられ、ICTを活用した教育を一層充実させていくこととされている。
 ICT環境の整備が進んだ本県では、これらを真に実現できる優れた環境を有しており、本県の将来を担う人材の育成に向けて、そのアドバンテージを活かした取組をしっかりと進めていただきたいと考えている。
 ICT環境の活用による本県教育の更なる充実について、県教委は今後どのように取り組まれるか、教育長の御所見を伺う。
 

教育長

 教育行政についてのお尋ねにお答えします。
 「Society5.0時代」が到来しつつある中、デジタルトランスフォーメーションを始めとする社会全体の変革などに主体的に対応する資質・能力を育成するため、学校においては、ICT環境を効果的に活用して、子どもたち一人ひとりの可能性を最大限に広げる教育が求められています。
 このため、県教委では、これまで蓄積してきた教育実践とICTなどの最先端の技術を最適に組み合わせ、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させる授業改善の推進に取り組んでいるところです。
 こうした中、国においては、お示しのとおり、オンラインの活用など「デジタル」と「リアル」を最適に組み合わせた教育の必要性を指摘しており、全国に先駆けて1人1台タブレット端末の整備を行った本県では、そのアドバンテージを、今後、どのように生かしていくのかが重要であると考えています。
 こうしたことから、県教委では、「やまぐちデジタル改革基本方針」の「デジタル・魁プロジェクト」に「『やまぐちスマートスクール構想』推進プロジェクト」を位置付け、ICT環境を効果的に活用した教育活動の更なる充実・発展を図ることとしています。
 具体的には、高校生のICT活用のスキル向上を目的に、本年度実施した「やまぐちICT活用コンテスト」を、来年度は小・中学生にも対象を拡大するとともに、総合支援学校の子どもたちにとって特に重要となる社会体験活動をより充実させるため、新たに、VRを活用した職場体験や公共施設の利用体験などに取り組んでまいります。
 また、新たな学びの機会を創出するため、1人1台タブレット端末を用いての全県合同の課外授業や、資格取得のためのオンライン講座、海外との遠隔授業など、時間と空間を超えた教育活動の充実にも努めてまいります。
 さらに、誰一人取り残すことのない学びの実現に向けて、障害や疾病等により通学が困難な児童生徒に対して、分身ロボットを活用して学びの機会を保障する取組を継続するとともに、不登校等の理由により、学校で直接相談することが難しい児童生徒に対し、オンラインを活用した相談・カウンセリングを実施する取組を推進してまいります。
 こうした取組を推進するためには、ICTを活用して教育活動を行う教員の資質・能力の更なる向上が必要であることから、ファシリテーション技術やICT活用に関する教員向けの研修コンテンツを作成し、各学校で活用するとともに、独立行政法人教職員支援機構と連携して「ICT活用推進リーダー養成研修」を実施することとしています。
 県教委といたしましては、本県の将来を担う人材の育成に向け、優れたICT環境を最大限に活用し、新たな時代を見据えた教育の充実に全力で取り組んでまいります。

 質 問

 山口県民一人ひとりの安全安心を守り抜くため、今後どのように取り組まれるのか、このたび着任された警察本部長の御所見を伺う。

本部長

 山口県民一人ひとりの安全・安心を守り抜くための取組についてお答えいたします。
 県内の治安情勢につきましては、議員お示しのとおり、刑法犯認知件数や交通事故件数が年々減少を続けている一方で、うそ電話詐欺被害やストーカー、DV等の人身安全関連事案については、依然として高い水準で推移しているほか、交通死亡事故に占める高齢者の割合も高く、県内の治安情勢は未だ厳しい状況と認識しております。
 県警察としては、これらの課題に組織一丸となって、的確に対応していくことが重要であると考えております。
 そこで、まず、犯罪から県民を守る対策として、制服警察官による街頭活動を一層強化し、県民が身近に感じる不安の把握と解消に努めるとともに、犯罪の検挙や抑止対策を推進してまいります。
 ストーカー、DV等の人身安全関連事案については、被害者の安全確保と危険排除を最優先として、関係機関と緊密に連携して対処してまいります。
 うそ電話詐欺に対しては、「うそ電話詐欺警戒警報」の発令や最新手口などの情報発信、金融機関やコンビニエンスストアと連携した水際対策を推進するとともに、犯行グループの検挙を徹底してまいります。
 そのほか、県内の小、中学校、高等学校において、SNSに潜む危険性などを教養する「情報モラル教室」の開催により、SNSを介した誘拐事案などの未然防止に努めるとともに、事案発生時の迅速な検挙・保護活動を徹底してまいります。
 また、全国で発生している公共交通機関における無差別殺傷事件など、県民に衝撃と不安を与える事件に対しても、事業者や関係機関と連携した訓練を行うなどして備えてまいります。
 交通死亡事故抑止対策については、ご高齢の歩行者と運転者への対策が重要な課題であると考えており、強力に推進してまいります。
私は着任時に、「敢然と悪に立ち向かう強い警察、犯罪被害者の方に寄り添う優しい警察、そして、変化に対応できるしなやかな組織づくりを目指したい。」と申し述べました。
 新型コロナウイルス対策、デジタル社会の広がりなど、社会情勢が大きく変化する中で、県民の期待と信頼に応える強く、優しく、しなやかな警察を構築するべく、全力で取り組んでまいりますので、皆様方のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。